20200929

やたらに平たくて横幅のある荷物が届いた。玄関まで荷物を入れてもらいながら「本当に重いですよ」と何度も言われる。持ちづらい形だと余計に重く感じるな~と思いながら部屋まで運んだ。すでに「これ本当に必要?」という気持ちが芽生え始めている。

発泡スチロールのかけらにまみれつつ、段ボール箱から板を取り出す。床一面の板、板、板。唯一入っていた紙には「2人で組み立ててください」と書いてあって、うるせえ、私はひとりなんだ。

いろんな種類のネジで板と板を留めまくっていたら、よくわからんけど結構な元気が出てきた。必要かどうか怪しいものを苦労して組み立てている。暑くなってどんどん服を脱ぐ。下はスウェット、上はキャミソール、片手にドライバー。24歳、平日の夕方である。宇多田ヒカルを聴いていた。最近になって宇多田ヒカルを聴けるようになってきたのは、彼女と歌のあいだに距離ができ、それによって彼女と私のあいだにも距離ができたからだと思う。

ちょっとよくわからんことに没頭する時間が最近はなかった。必要に殺されそうだった。板、ネジ、発泡スチロール、すべて終わるまでに2時間かかってびっくりした。朝、コーヒーを1杯飲むのに1時間かかることもあると考えるとだいぶ早く済んだほうだ。床を覆っていたものがある程度コンパクトなサイズになり、こんなもんだよなと思った。

結局、組み立てたものを置いてみたらかなり快適になって笑ってしまった。超必要だった。体はまあまあ疲れている。